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オーストリア軍Tagesportion fur den jagdkampf試食


オーストリア軍のパック入りレーション。
ヨーロッパレーションには珍しく軽量なパック入りだが、Jagdkampfには奇襲、襲撃または
狩猟、追跡; 探求という意味があり、これは山岳地区に配属されるマウンテンソルジャーレーションである。
オーストリアはドイツの南東に位置した北海道ほどの広さの国で、公用語がドイツ語のゲルマン民族の国である。
1938年から45年までナチスドイツにより併合されていたが、1955年に連合国との国家条約締結により独立を回復。
ドイツに併合された歴史と、東西冷戦時、共産国と国境を接している地理的な関係から永世中立を宣言、
独立国として国連に加盟し、自国の独立を守る為に自前で防衛軍を持っており、徴兵制もある。
軍は永世中立の立場からNATOには加わっていないが国防意識は高く、兵器も国産しており、
歩兵のライフルは革新的なブルパップ機構を持つステアーAUG(シュタイアーArmee Universal Gewehr)など
独自兵器を装備している。
ステアーAUGは5.56mmNATO弾を使用弾としており、オーストリア軍以外にオーストラリア軍でも使用されているようだ。




パッケージの状態
(今回紹介するのは、1990年製造の物で、2006年現在では多少パッケージなどが変わっているかもしれないが、参考までに解説していこう。)
アルミ蒸着の厚みのある外パックは35×13×7cmで、重量は700gほど。
缶詰以外は、全て乾燥食品であるため、非常に軽量である。
しかし水を加えて調理すると、かなりボリュームが増えるので、1パックが一日分だと思われる。



調理した状態
あまりドイツ食文化圏らしからぬ構成だ。
炭水化物系が多く、肉類はレバーペーストしか見当たらない。
それでは各メニューを詳しく紹介しよう。



ミルク粥
フリーズドライのライスに、砂糖とミルクの粉末、干しぶどうなどが123g入っている。
ここにお湯を300cc加えて調理すると、423gものミルク粥が出来上がるのだ。
カロリーは535Kcal

フリーズドライのお米は粘り気が無く、お米と言うよりスポンジゴムを食べているような食感。
甘ったるいミルクが米に染みて、好き嫌いがはっきり分かれそうだが、東南アジアでよく食べられているココナッツミルクでお米を蒸したお菓子が好きな人には、抵抗無く食べられるだろう。
僕は嫌いじゃない味。
えんどう豆の煮込み料理
えんどう豆のポタージュスープで、マカロニを煮込んだような料理。
えんどう豆の持つ風味豊かなコクのある濃厚スープが絡んだマカロニは絶品!
乾燥状態で81gの中身にお湯を300cc加え、5分待てば食べられる。
合計381gで,カロリーは322Kcal
 
野菜のクリームスープ
固形の野菜はニンジンしか見当たらないが、ピューレ状に溶かした野菜をクリームとあわせて煮込んだスープであろう。
市販のクノールカップスープに似た味。

25gの粉末スープの素に250gのお湯を加え、混ぜれば出来上がる。
合計375gで、カロリーは120Kcal
パンの缶詰
ドイツ食文化圏であるオーストリアでもパンは黒パンが主流だと聞いていたが、これにもドイツレーションと同じように缶詰入りのパンが入っていた。
しかし、ドイツのパンの缶詰と比べると軽く、1缶で200g弱しかない。
缶をあけると、このような状態で入ってる。
缶から取り出したところ
非常に固くしまったパンが出てきた。。
ドイツの黒パンに似た、酸味のある香りが漂ってくる。
しかし、ドイツの黒パンのような、ライ麦が実のままで焼き上げてある訳ではなく、ちゃんと粉をこねて、発酵させて焼き上げてあるようだ。
そのままで食べると、昔のMREに付属していたパンにそっくりな味。
スライスして
断面を見ると良く分かるが、ドイツのライ麦パンとは明らかに違う。 そのままではパサパサしているが、少し温めてやると、驚くほどモッチリして、ベーグルのような食感だ。
缶のまま湯煎でもして温めれば美味しく食べられるだろう。

少し酸味が利いたパンに、濃厚なレバーペーストが良く合う。
レバーのくどさを酸味がサッパリと和らげてくれるからだろうか?
 
レバーペースト
缶に印刷された物と全然違う中身が出てきて驚いた!
写真で見ると、一見チーズのようなものが写っていたのだが、食べてみるとレバーペーストだった。 
欧州圏の国の糧食には結構レバーペーストが含まれており、僕も色々と食べてきたが、実はこのレバーペーストが一番美味しくなかった・・
なんと言うか舌触りがザラついて、濃厚なレバーの旨味も、何処と無くかすんでいる感じ。
どうも市販品のようなのだが・・
エネルギータブレット
マルチビタミンとカルシウムなどのミネラル&ブドウ糖などを固めた、ペッツのようなラムネのような食べ物。
味はまさしくラムネで、少し粉ッぽいので食べにくいが、結構大きな塊が5粒も入っているのだ。
 
ネスクイック
濃厚なココアで、38gの粉末に250ccのお湯を混ぜて作る。
するとトロトロのココアが出来上がるのだが、濃厚すぎて中々飲み込めない。
しかし上品な味わいで、流石は世界のネッスル製。
288gで150Kcal


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実は2005年に開催された万国博覧会にパビリオンを出していたオーストリア館にこれを持って行き、オーストリアの民族衣装を着た可愛い女性コンパニオンさんに翻訳と内容物の確認をお願いした所、驚いた事に、そのコンパニオンさんはこの糧食を何度か食べた事があるという。 どうやら徴兵で軍隊に行っていた経験が在るようで、詳しく内容について教えてくれた。 が、 どれもあまり美味しくないと言う評価だった。 しかしパンの事を聞いたところ、以下のようなやり取りが。
「これは黒パンが入っています これも不味いですよ」
「ドイツの黒パンと同じような物ですか?」
「いえ、ドイツのパンよりはずっと美味しい。 ドイツの食事よりオーストリアの食事の方がずっと美味しいです」
との事でした。


オーストリアの女性兵士が食事を食べる様子。 飯盒はおなじみの形(日本がドイツの飯盒を真似たのだが)
温食を配給されている様子では無いので、調理したレーションを食べているのだろうか?



テントの前で配給されたレーションを食べる女性兵士。
これは市販品で構成されたトレーニングレーションだろうか?

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このオーストリア軍戦闘糧食は、A・Y様のご提供いただきました。 いつもありがとうございます。