MRE
アメリカ軍個人携帯用戦闘糧食

MREはそれまで米軍で使われていたMCI(Meal-Combat-Individual)の後継個人用糧食として、1970年代より米陸軍ネーティック兵士センター NSC (Natick Soldier Center)で開発がすすめられました。 まず課題であった、それまで一般的に使われていた缶詰の欠点である、重く、ゴミの処理が大変で、開けるのに手間のかかるという不具合を解消するために、1940年から開発を進めてきた「レトルトパウチ方式」を採用することになりました。 これはポリエステル、アルミ箔 ポリプロピレンの三重構造のシートで食物をくるみ、熱加工によりパックを溶かして密閉し、外部からの雑菌や光、酸素などを遮断して食物の劣化を防ぐと言う物で、摂氏21度の環境で最低3年は品質劣化を防ぐことが出来ると証明されています。
何しろ便利なのは、平たいパウチは熱が均等に伝わり温めやすく、軽量でゴミも嵩張らない、そして一番兵士に喜ばれたのが缶切りなどの工具が一切不要で簡単に開封できること。
また製造工程や製造コストが缶よりも安く、その後、他国軍や民間でも大いに利用されることになります。
MREは基本的に、そのレトルトパックで密閉された、メインディッシュ、クラッカー+スプレット類、デザート、ドリンク類(粉末)とアクセサリーパックで1食分を構成し、平均1250キロカロリー摂取できるようになっています。
1980年代初め頃、正式に軍から採用されたMREは随時それまで使われていたMCIから交換され、1980年代半ばには全てのアメリカ陸軍部隊で食べられるようになり、その後も各部隊からフィードバックされたデータを元に逐次改良が加えられていきます。
最初に登場したMREは、当時長距離偵察部隊用に採用されていたLRPレーションを発展させて開発された経緯から、LRPレーションで実績のあったフリーズドライをメインミールに使ったメニューもあったのですが、フリーズドライは調理に多少の手間と清潔な水が必要であったため(調理に熱湯を必要とし、もちろん冷水でも調理することは可能だが、時間がかかり、上手に戻せない)1987年のメニュー改正で廃止されることになります。 もっともフリーズドライにも利点はあるので、LRPレーションや寒冷地用RCWMCWでは現在でも使用され続けています。

レトルトパックは非常に優秀なパッキング方式のですが、熱に弱い素材で包装されている為に、缶のように直火にかざして内容物を温めるということが出来ません。 特殊な環境下に置かれている兵士にとって食事は非常に重要な行為なのですが、冷たい食事は不味く、士気も低下します。 第二次大戦時GIたちは重い携帯ストーブを持ち歩き、それでレーションを温めたほどでした。 
レトルトを温めるにはお湯で茹でるという方法が一般的ですが、現代のGIは個人装備が増え、とても鍋や余分な水、ましてやストーブを持ち歩く余裕などありません。 それ以前に戦場で火を焚くなどということは自殺行為に等しく、冷え切った食事を仕方なく胃袋に送り込んでいました。 しかし温かい食事を望む声は日増しに高まり、1993年、遂に火を使わず画期的な方法でレトルトを温めるMREヒーターがMREに付属するようになります。 これは水を触媒として鉄の酸化熱を利用した物で、発熱剤に水を加え、発熱したらレトルトと密着させることで食品を温めるため、 煙も光も出さず評判がよく、 最初は別支給であったMREヒーターも1994年頃よりMREに同梱されるようになりました。その後も少しづつ改良を重ねながら現在にいたっています。

MREは今でも基本的に登場当初の頃と大きく変わりはありませんが、メニューは飽きがこないように随時交換されていき、1992年から毎年2〜3メニューずつ変更されるようになります。 そして当初12メニューだったメニューバリエーションもだんだんと増やされて、今では24種類のメニューから好きな物を選べるようになっています。 しかもその中には宗教上、思想上の理由から肉食を食べられない兵士に配慮し、ヴェジタリアン向けのメニューが4種類加えられています。

MREの大きな変化は、1996年ちょうどMREが16食に増えた頃、それまでこげ茶色であったMREの外装が砂漠で目立つということから、デザートカラーのベージュ色に変更になり、 これは冷戦が終わり湾岸戦争を経て、これからの戦場が中東の砂漠地帯になることを物語っていました。(実際2003年にイラク戦争勃発)
中身も順次ベージュの袋に入れ替わり、1999年プロダクトでは完全に切り替わりました。

今後も暫く、個人携帯糧食はMREが使われ続けるでしょう。どのような改良が加わり続けるのか目が離せません。
現在はレトルト食品のパッケージに香りのよい成分を注入する事により、さらに食べやすく、質の良い物にする研究が行われているそうです。

また補助増加食として別パックでパンや、Hooah!バーというエネルギーバーが支給される事もあるようです。

http://www.exn.ca/news/video/exn2003/03/26/exn20030326-armyfood.asx



ネェイテック ソルジャーセンターHP

MRE登場から2003年まで、年代別に採用されていたメニューを網羅
MREの年代別全メニュー
年代ごとの違いが一目で分かります(英語)


MREの1993年から2005年までに切り替わった(これから変更される)メニュー
MREの進化(メニューのマイナーチェンジ)の記録
毎年廃止されるメニューや付属品、新しく採用されるメニューなどをが分かります。(英語)


MREの製造年月日や、外箱に書かれているデータの秘密を公開しています
MREの鮮度を調べよう
自分のMREの年式を調べたい場合はココを見てください。


付属のアクセサリーパケットについては、ココを参照してください
アクセサリーパケット
世代別に紹介しています。


付属MREヒーターについては、ここを参照してください。
FRヒーター
簡単な使い方や年式の違いを紹介しています。


試食レポート

第三世代MRE試食レポート
1999年製TYPE XIX MREの全メニューを試食紹介しています。
(現在公開中)




第三世代初期MRE
1996年製TYPE-XVI MREの一部メニュー試食レポート
(現在一部公開)




第二世代後期MRE
1995年製TYPE-XV MREの全メニュー試食レポート
(随時公開予定)



第二世代中期MRE
1994年製TYPE-XV MREの全メニュー試食レポート
(随時公開予定)


第二世代初期MRE
1988〜1992年製TYPE XII MREの試食レポート
(随時公開予定)



第一世代MRE
 初代(1981〜1987)MREの試食レポート
(随時公開予定)



MFF

トレーニングMRE
TOTOM試食レポート
(随時公開予定)



市販タイプMRE
MIL☆SPEC試食レポート
(現在公開中)




特殊MRE
80年代後半〜90年代初頭、日本向けに作られたMRE
(随時公開予定)




増加食
ブレッドパック試食レポート
(現在公開中)




増加食
HOOAH! Bar 試食レポート
(現在公開中)




三大製造会社の最新MRE
食べ比べ試食レポート
(現在公開中)




謎のMRE